2012年3月24日土曜日

「成澤 千春 インタビュー」

阿賀野川ライン舟下り――。
悠々と流れる阿賀野川を、四季折々の表情を映す渓谷美を眺めながら旅をする。
その案内役は、阿賀野川を愛する個性豊かな船頭たちだ。
今回は最年少船長、成澤氏にお話を伺った。



合唱曲をロックで演るなんて、過去にも聴いたことがないので、新しいですね。


――どうして船に乗ろうと思われたのですか?

もともと生物とかが好きで、昔から川で遊んでいたんです。
阿賀野川の上流の方、津川の辺りでしたね。
そして海洋高校に行ったのは、映画「日本沈没(※1)」を見て、潜水艦に憧れたのがきっかけでした。


――海洋高校では、どんなことを学ぶのですか?

いろいろ悩んだんですが、私が専攻したのは「海洋生産コース」です。
主に漁業について学びました。
船の免許もその時取ったんです。
他には養殖などを学ぶ「栽培技術コース」やダイビングをするコースもありました。
ダイビングのコースはとても興味があったんですけど、私「耳抜き」が怖いという理由だけであきらめました…(笑)。


――その後卒業して、阿賀の里に入社したわけですね。
いつもどのようなお仕事をされていますか?

今の時期(取材は2月)、私の船は出せないので案内係がメインです。
受付け場所から、お客さんを乗船場までご案内しています。
今、私の船は船頭衆の休憩場所に使われています。
汚さないように使って欲しいっていう気持ちは、若干ありますね(笑)。


――あの船、成澤さんの船だったんですね~。
さっきどなたかコーヒーこぼしてましたよ(笑)。

あっ!ホントですか!?
それちょっとマズイですねー!(笑)


――現在、船頭の中では最年少ということですが、先輩から何か教わったことなどありますか?

そうですね~。
あんまり親方さん達とは話す機会も少なくて…、情報がないんですけど…。
それに、話してても方言がきついので、聞きづらかったりもします(笑)。
石井(智子)さんも、今ではバリバリの訛りですが、最初はそうじゃなかったと聞いてビックリしました(笑)。
私も早く石井さんくらいになりたいです。



――合唱×ROCK「阿賀野川」プロジェクトはどのように思われますか?

私は合唱組曲「阿賀野川」はまだ聴いたことがなくって、どんな歌なのかわかりませんが。
地域の歌があって、20年も歌われ続けているんですよね。
それを新しいカタチで演奏してCDを発表するというのは、とても良いことだと思いました。
合唱曲をロックで演るなんて、過去にも聴いたことがないので、新しいですね。
ジェロみたいな感じですか?(笑)
黒人なんだけど、演歌という、新しい感じで!
聴く人、見る人の記憶にも残りやすいんじゃないかと思います。


――成澤さんにとって阿賀野川とは?

「遊び場」であり、「学ぶ場」であります。
小さい頃から魚獲ったり、石投げたりと、川で遊ぶことが大好きでした。
当時、ここ「阿賀の里」は通り過ぎるだけでしたしたが、まさか働くことになるなんて(笑)。
今はいろいろ学ばせてもらっています。

(ここでケータイ着信音「川のせせらぎ」が鳴る)

――本当に川が好きなんですね、よくわかりました(一同爆笑)。
ご協力ありがとうございました。



成澤 千春
1992年生まれ
新潟県新潟市秋葉区(旧新津市)出身
新潟県立海洋高等学校平成22年度卒業
阿賀野川ライン舟下り船長として活躍


(※1)「日本沈没」
小松左京の同名ベストセラー小説を映画化した1973年作品『日本沈没』を、『ローレライ』で長編監督デビューを果たした樋口真嗣が現代にリメイクした衝撃作。
SMAPの草なぎ剛と柴咲コウがダブル主演し、未曾有の災害に立ち向かうヒロイックなキャラクターを熱演した。